2006/05/11

アウトサイダー

【概要】
はぐれオタクとしてのオタク論と自分語り。
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オタクにも堅気にもなれず、どこにいってもアウトサイダーだ。お蔭様で、何を論じるにつけても部外者の立場からになり、これが個人的には助かっている。何かを論じるとき、どっぷり漬かった人よりもそれを客観視できる人が語る方が容易だからだ。つまり、選手より監督、ユーザーよりクリエイター、ミュージシャンよりレコード会社の人間の方が「全体」を見ているし、論としては独りよがりにならないものを展開できるだろう。少なくとも俺はそう思っている。

就活の話をするときに「好きなことを仕事にしない方がいい」という主旨の話がよく聞かれた。俺はこれには賛成だったんだけど、それはよく言われる「自分の意に反した仕事を要求されたりして好きなことが好きじゃなくなってしまう」とか「趣味をより充実させた人生がナウい」とかいう意味より、俺としては「どっぷり好きじゃない方がクールに見通しが立てられて、却ってユニークな仕事が出来得る」という意図で支持していた。だから「好きなこと」を仕事にするのであっても、ただのユーザー視点より一風変わったスタンスで取り組むようなら支持した。俺自身は割と「好きなこと」で会社を選んだように思われがちだけど、実は(選考を見てもらえば絶対納得してもらえるはずなんだが)どこへ行ってもイロモノ扱いだった。内定先でも「珍しい経歴の人」として拾われたようなものだし。

就活の際にアウトサイダーで苦しんだことといえば、既にあちこちで言いふらした話なんだが、面接で「ツンデレを語れ」と要求されたことだ。この苦しさは主に二つの理由からなっていて、一つは「俺はけして萌え文化に精通した人間ではなく、それを大上段から論じるのはおこがましい」という思い、二つには「つーかあのへんと一緒にすんなよ気持ち悪い」からだった。ただ、俺がユーザーじゃなかったからこそ、ヘヴィユーザーの多くが無視しがちな情報に多く触れていたからこそ、あの場では高い評価が得られたのだと考えている(面接は通過した)。
要するにオタクが自分の趣味を語ったところで一般人には面白くもなんともない。そしてそれに気付かずに客観的な議論を拒絶するオタクは何も生み出さず、ただ自分たちが食っているものがなんなのかも知らずに食い続けていく。これが「オタク=大口の消費者」という構図の内訳。別に生産性がないから悪だと言っているのではない。「自分が何を食わされているか」考えもしないのは気持ち悪いと言っているのだ。更に言うと何かにつけて「ツンデレはそんなんじゃないいいいい」とかいう人も「←こいつにツンデレの何が分かるんだよおおおお」とかいう人も、そういう人たちを食いものにしてる商売人たち(メイド喫茶特集を組んじゃうメンノンとか)より自分たちが数百倍低脳なことに気付くべきだ。供給が絶たれたら死んじゃうの?ご苦労様。
そこまで考えて、俺が拒絶し、また俺を拒絶した秋葉原という街がやはり嫌いだという結論に至った。うんこ。

さて、ここまで延々とアウトサイダーについて語ってきたが、俺自身はただの「どこに行っても馴染めない人」であって、俺が理想とする透徹した客観の持ち主からは程遠い。皆様におかれては、本当は誰とでも仲良くしたいのにできない寂しい人間は暇な間にこんなことを考えているのだ、という参考にこのテキストをご照覧いただければ幸いです。敬具。
この記事へのコメント
会社でツンデレを聞くとは………。
オタク嫌いの策士が振り落とすための策だったのでしょうか。

自称アニヲタとして耳が痛い文章もあるし、自分としてももっと人間的に成長しないといけないようです。
Posted by atomic at 2006年05月11日 20:26
ツンデレできまったとは・・・絶句
Posted by こるりこ at 2006年05月11日 23:32
>atomicさん
いや、オタクフィルターではなく、むしろ興味関心の広さを問う主旨だったのではないかと思います。他「亀田三兄弟」「地デジ」などの語句と並んでの「時事」という主旨の設問だったので。

>こるりこさん
最終的に決めた会社ではないんですけどね。別の会社です。でも結構最終に近い面接でした。すごいですね。
Posted by tebasaki at 2006年05月12日 00:14
おんなじようなことばかり考えている、どこのコミュニティーにも心のどこかで疎外感を感じる俺様が来たよ!でもどこにいても楽しいよヽ(´ー`)ノ

>要するにオタクが自分の趣味を語ったところで一般人には面白くもなんともない

あー、最近とくに思うんだけど、これはアウトサイダーかどうかより『ワンカテゴリーしか見てない人間がワンカテゴリーについて語る』というののつまらなさだと思うよ。
たとえば音楽しか聴いてないやつの音楽についての文章より、音楽聴いて映画観て本読んでスポーツしてセックスしてる奴の文章の方が絶対面白いじゃん。だから他の(分野であったり生活であったりの)目線が入るというのはものの見方・語り方においてもっとも重要な一要素なんだと思う。べつにそれに阿る必要はないんだけどね。
Posted by casanova at 2006年05月12日 00:44
>時事」という主旨の設問だったので
ツンデレという概念も時代にもまれてオシャレになるんでしょうなぁ。
『萌え〜!』みたいに。
Posted by atomic at 2006年05月12日 21:54
>かさのば外野手
>ワンカテゴリーしか見てない人間がワンカテゴリーについて語る

そうですね。一応このエントリでは「アウトサイダー=そのコミュニティ一般の価値観を共有しない人」ということで、違う視点を持ってそこに関わるメリットを仲間はずれの自己弁護から引っ張り出すのが目的だったんですが、前向きに「違う価値観のメリット」を求めるのであれば casanova 先生の「粋な遊び人」志向の方が健全ですね。
「話が面白い」ということ以外に「そのコミュニティでの議論における化学反応」への貢献も個人的には大きいと思っていて、そういう意味ではあくまで「よそもの」であるだけでも十分な成果が期待できると考えています。スポーツコミュに会計士が一人入るだけで話がいつもと違った方向に転ぶ、という。本文で十分に触れてなかったところをコメントで補足。
Posted by tebasaki at 2006年05月13日 09:23
>atomic さん
>時代にもまれてオシャレになるんでしょうなぁ

んー、おもしろそうなものに名前をつけて売る、って流れはしょうがないと思いますよ。癇に障るでしょうけど。
Posted by tebasaki at 2006年05月13日 09:45
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